好きな仕事に就いても幸せになれないという話

日常のこと

多くのビジネスマンが毎日同じ鉄板の上で焼かれているような仕事に励んでいます。
そうすると常に浮かんでくるのは「転職」という言葉です。

悩める社会人
次こそ好きなことを仕事にするんだ!
と意気込みたくなる気持ちが沸々と湧いてきます。

でも、ちょっと待ってください。
実は単純に好きなことを仕事にしても幸せにはなれないんです。
え?なに言ってんの?となりましたか?
そんなあなたの時間を少し頂戴します!

あのジョブズも仕事第一ではなかった

スティーブ・ジョブズのスピーチ
私がここまでやってこれたのは、自分のやっている仕事を愛しているというその気持ちがあったからです。皆さんも自分が好きなことを見つけなければいけません。それは仕事も恋愛も同じことです。皆さんもこれから仕事が人生の大きな割合を占めることですから、自分が本当に心の底から満足を得たいなら、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかないのです。
そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら、好きなことを仕事にすることです。まだ見つかってないなら探し続ければいいのです。

これはアップル設立者のスティーブ・ジョブズによるスピーチですね。
とても有名なこのスピーチから、好きなことを仕事にしていきたいと思った人も多いはず。
でも実はジョブズは好きでエレクトロニクスの世界に踏み込んだわけじゃないんです。
高い頭脳を持っており素質はありましたが、業界に入った理由は金が儲かるからです。
仮に彼が好きなことを仕事にしていたら教職者なんかになっていたと考えます。

好きなことを仕事にしても幸せにはなれない

世論調査企業ギャラップ社が139ヶ国の企業に調査を行いました。
調査内容は【熱意を持って仕事に取り組んでいるか?】というもの。
結果、日本人で熱意を持って仕事に取り組んでいるのは全体の6%。
日本人で仕事にやる気がないと回答したのは70%です。
世界最低レベルの就業意欲といえます。
そんな国で日々過ごしていれば、好きなことで生きていきたくもなります。

仕事観を2タイプに分類されます。

仕事観のタイプ
適合派
「すきなことを仕事にするのが幸せだ」と考えるタイプ
「給料が安くても満足できる仕事をしたい」と考える
成長派
「続けるうちに仕事を好きになるものだ」と考えるタイプ
「楽しくなくても給料が欲しい」と考える

どちらが幸せな人生を歩むのでしょうか。
映画の世界では適合派が幸せになることが多いでしょう。
しかし、現実世界では成長派が圧倒的に幸せになれます。
適合派が満たされるのは最初の5年までです。
長いキャリアでみると成長派の方が幸福度が高くなります。

適合派は仕事に対して高い理想を持っています。
そのため現実でのギャップが大きく感じやすく、トラブルに対しての対応力が徐々に低下していきます。
数多くこなさなくてはいけない雑務を目の当たりにし、仕事に対しての熱意が冷めてしまう傾向があります。
結果的に幸福度が下がってしまうということに繋がります。

一方で成長派は元々仕事に期待をしていません。
トラブルに対しても仕事だからこんなもんと割り切れます。
適合派よりも感情の起伏が小さく、適切な対応がとりやすくなります。

社会的に強いのは「成長派」

実は他の研究でも社会的に成功できるのは「成長派」というデータがあります。

適合派
好きな仕事で熱意を持って仕事に取組んで社会に貢献するぞ!
と考える「適合派」の人がいたとします。
とても素晴らしいです。
ですが、残念ながらスキル上達率は「成長派」が上です。
ポイントはモチベーションの維持力です。
前項でも書きましたが、適合派は仕事に対しての期待値が大きいです。

天職というものがあるとすれば、それは「なんとなくやってたら見つかった」以外ありません。
情熱は何かに取り組んでいるうちに生まれるもの。
この考え方が非常に重要です。
初めから期待をせず、仕事として割り切るスタンスを持つ。
これはグロウス・パッションと呼ばれます。
グロウス・パッションを持っていると興味のないことにもしっかりと取り組むことができます。
理想が低いということに近いかもしれません。
ですが悪いことではないんです。

適合派
「何をフザけた話をしている!自分の中の情熱を掘り起こせ!」
と強い信念を持っている場合、困難が目の前に立ちふさがり失敗した際に「自分には合わない…」という思考が走って心が折れてしまいます。

「情熱はそのうち見つかる」と冷静な意見を持ち続けること。
そうすれば困難な状況に直面した際も負けずに取り組むスタンスを維持することができます。

さいごに

「好きなことを仕事にする」という考え方に夢があります。
疲弊している人の目に映れば、そちら側に行きたくなってしまうでしょう。
それはビジネスとして大きな市場があるということです。
甘い言葉で多くのビジネスパーソンを囲いこむことで大金を扱うことができます。
全否定をするつもりはありません。
しかし、魅力的で巧みな言葉を用いて多くの人達を騙している状況もあります。
もし、あなたがヤル気に満ち溢れているビジネスマンであり、自分に合った仕事になかなか出会えない状況とします。
そんな時は一歩後ろに下がって俯瞰してみることが大切かもしれません。