最弱ヒーローのアンパンマンにやなせたかしが込めた思い

日常のこと

日本はキャラクター大国です。
街ナカを歩けば、様々なご当地キャラに出会うことができる国です。
そんな国で子どもが初めて好きになるキャラクターはなんでしょうか?
私は「アンパンマン」と答えます。

引用元:アンパンマンポータルサイト

昔はよくテレビで観ていて、最近では息子に觀せてみようかなと考えています。

漫画家やなせたかし氏がアンパンマンを誕生させるにあたり、多くの思いを込めました。
アンパンマンに込められた愛情と願いについて記します。

アンパンマンのルーツは戦争体験

やなせたかし
この社会で一番憎悪すべきものは戦争だ。
やなせたかし氏はこう語りました。

正義とは「献身と愛」だ。
弱者を助けることである。
周囲の困っている人に手を差し伸べることこそ正義だ。
これがアンパンマンのコンセプトです。
数多くのヒーローに共通することですが、アンパンマンからは特に強く感じます。

戦争体験で最もキツイのは飢えだった。
疲れは寝れば回復するが、ひもじさは耐えられない。
飛行機事故で遭難した人間が共食いをしたという事件があったが理解できる。
やなせ氏の戦争体験がアンパンマンを生み出しました。
当時、こんなヒーローがいてほしいという作者の願望がカタチになったものです。
現代の日本人には到底理解できないことです。

終戦後、月光仮面やウルトラマンといった悪人や怪獣を倒す作品が登場した。
いろんな兵器が登場し、火花を散らす。
怪獣を倒すために街や自然が破壊される。
それが「戦争賛美」に見えてしまった。
自分の中にはない視点でした。
たしかにウルトラマンが戦っている姿を見て「ウルトラマンが町壊してるじゃん」と言ったことはあります。
もちろん人間たちを守るために戦っているのは分かっています。
やなせ氏は潜在的に彼が子どもに悪影響をきたすことを懸念していました。
その影響かアンパンマンには血の描写がありません。
当たり前だと思っていましたが、結構すごいのことかもしれません。
ディズニーの世界でも血の描写はしないといいます。
ディズニーとアンパンマン。どこか通ずる考え方があるのだと思います。

最初のアンパンマンは5分間のラジオコントで登場した。
パンを配るおじさんだった。
マントには焼き焦げがある。
顔もカッコよくない。
空を飛んで戦地に行き、パンを取り出し子どもたちに配る。
これまた衝撃の事実です。
アンパンマンの初出はラジオコントです。
漫画ではないんですね。
月光仮面もヒーローおじさんです。
昔、どこかで読んだアンパンマンの絵本では顔をあげすぎて頭が無くなってしまいました。
その状態でパン工場に帰還する描写があり、怖いというか不気味だなと思った記憶があります。

なぜアンパンだったか?
パンは外国のもの。あんこは日本のもの。
アンパンひとつで遭難者が命びろいすることがある。
食事にもオヤツにもなり美味しい。
これは時代的な背景もあるでしょう。
チョコパンマンだと、どこかサンリオの雰囲気になりそうです。
近くパン屋では、アンパンマンの顔が描かれたチョコパンが売られていますが…


正義を行おうとすれば、自分も深く傷つくものだ。
でも、そういう捨て身、献身の心なくして、正義は決して行えない。

アンパンマンは世界最弱のヒーローだ。
正義に勝ち負けなんて関係ない。
困っている人のために愛と勇気をふるって、ただ手を差し伸べる。
これでいい。
助けても威張らない。自慢しない。いつも慎ましい。

現代であれば、最弱のヒーローを思いつくことは難しくない。
アイデアが飽和状態であり、強いヒーローが溢れているためニッチな作風に到達することは可能だ。
しかし、やなせ氏がアンパンマンを生み出した時代は明確に強いヒーロー像が求められていた。
そんな中、最弱のヒーローという発想を持てたやなせ氏には、やはり凄みがあったといえる。

アンパンマンの世界には善キャラと悪キャラがいる。
双方ともに共通しているのは手をしっかりと握っていること。
人は気合を入れるときに自然と手を握る。
なんとなく考えていたころも決意に変わる。
悲しいときに涙がこぼれても手のひらで拭くと弱い心は追い出せない。
拳で拭かなくてはいけない。
また、拳になっていると子どもたちが描きやすい。
グッズも断然作りやすくなった
やなせたかし氏は「手のひらを太陽に」を作詞したことでも知られてます。
それなのに何故、アンパンマンは手が丸いのか…という疑問を持っていました。
アンパンマンは常に握りこぶし。
それが大きくなっていく展開の手助けになっているとは思いませんでした。


Kindleでやなせたかし氏の本を読んでいてアンパンマンの秘密をイロイロと知りました。
大人になってから、アンパンマン見方がガラリと変わりましたね。
実におもしろい。作者の思いが詰まったアンパンマン。
息子と目にする機会が増えていくと思います。